ブログ : ネガティブな感情の正体
 投稿日時: 2025-10-07 (22 ヒット)

今朝の満月、とても美しかったですね。

私は、小学生の頃から、お月様を見るのが好きで、サンセットを見るのも大好きです。

 

ヨガでは、月の満ち欠けや自然のリズムと、私たちの心や体の状態は深くつながっていると考えます。

 

特に満月はエネルギーが最も高まる時期。

 

そのため、普段よりも感情の波が大きくなったり、色々考えすぎたりする方もいるかもしれないです。

 

でも、それは決して悪いことではありません。

 

満月は「浄化と解放」のエネルギーを持っていて、心の奥にしまいこんできた感情をやさしく表に出してくれているのです。

 

怒り、悲しみ、不安、寂しさ、疑い。

こうしたネガティブな感情は、どれもあなたを守ってくれている感情です。

 

ネガティブな感情の裏には必ず、本心があります。

かくれんぼしています。

 

たとえば、

「なんで私ばっかり」と感じる怒りの奥には、

「努力を認めてほしい」「公平に扱ってほしい」という願いが隠れていたり。

 

「どうせ私なんて」と落ち込む気持ちの裏には、

「誰かに必要とされたい」「愛してほしい」というやさしい想いが眠っていたりします。

 

ヨガ哲学では、こうした感情は「マーヤー(幻影)」と呼ばれます。

それは“本当の自分(プルシャ)”を覆い隠すベールのようなもの。

 

本当のあなたは、感情に飲み込まれる存在ではなく、穏やかで愛に満ちた意識そのものと言われています。

(少し難しいかもしれませんが)

 

ネガティブな感情を感じても大丈夫なんです。

 

「あっ、この感情で私を守ってくれてるんだなぁ」と観察してみてください。

 

ただ、そこで大切なのが、

そのネガティブな私を自分と思わないことなんです。

 

これが本来のヨガのプラクティス。

 

【客観視】

 

あなたの本質は、そのネガティブな私ではないんです。

その自分を守ってくれている感情の向こう側には、本心があります。

そこを見てあげることが大事。

 

「本当はどうしたいの?」

「本当はどんなふうに生きたいの?」

と、自分と会話をしてみてください。

 

その感情にずっと留まって自分を守ってばかりだと、前に進めなくなってしまうことがあります。

 

不安も怒りも悲しみも、「私を安全な場所にとどめよう」とする本能から生まれています。

 

ヨガ哲学では、人が変化を恐れるのは自然なことだと説かれています。

 

人は「安全地帯」にいることを好み、未知の世界に一歩踏み出すことを本能的に避ける生き物。

 

けれど、その「安全」は本当の安心ではないかもしれません。

 

ヨガ哲学では、心が快適なものに執着し(ラガ)、不快なものを避けようとする(ドヴェーシャ)性質が私たちを縛っているといいます。

 

ラガ(愛着)は、心地よかった過去の経験や今の環境への執着。

ドヴェーシャ(嫌悪)は、変化の痛みを恐れる心。

 

この2つの力が働くと、人は成長のチャンスを自ら閉ざしてしまいます。

 

「変わりたい」と思いながらも動けないのは、心が“安全”という名の快適さにしがみついているから。

でも、そこに留まり続けることは、やがて停滞や閉塞感を生む原因にもなります。

 

アビニーヴェーシャは、新しいことや未知の状況に対して不安を抱かせ、変化を避けようとする心理の根源です。

 

人はこの恐れから、慣れ親しんだ環境や思考パターンにしがみつき、一見「安全」そうに見える場所に留まろうとします。

 

でも、それは本当の安全ではなく、“慣れ親しんだ快適さ”への執着であるとヨガは教えます。

 

本当の安全とは、変化のない場所に留まることではなく、どんな変化の中でも自分で自分を守れることです。

 

ネガティブな感情がひょいと出てきたら、心の中でそっと伝えてみてください。

 

「この気持ち、今まで私を守ってくれてありがとう。」

 

その感情は“敵”ではなく“味方”に変わります。

 

満月の日は、静かな場所で本心を紙に書き出してみるのもおすすめです。

「本当は毎日何がしたいの?」など、「どう生きたいの?」と自分と話します。

 

手放すとは、感情を無理に消すことではなく、その感情の奥にある「本当の気持ち」に気づき、やさしく抱きしめてあげることです。

 

ヨガでは「スヴァディヤーヤ(自己探求)」という教えがあります。

それは、自分の内側を見つめ、思考や感情の波の奥にある“静かな自分”に戻る練習。

 

心の殻の向こう側にいけると、新しい道が開けますよ。

 

明日は朝ヨガクラス、お会いできますのを楽しみにしています。